∴ ＦＸニュース

１ドル＝90円前後まで円高が進行したこともあり、10月後半から始まる中間
決算では、外需頼みの製造業に思わぬ業績下方修正リスクがありそうです。か
といって、少子高齢化や失業率上昇を受けて、内需関連株も全体として見れば
期待薄。だからこそ、驚くべき成長を続ける一部の銘柄に注目が集まるという
ものです。

その筆頭といえるのが、ケータイ向けSNS（ソーシャル・ネットワーキング・
システム）を運営し、無料の釣りゲームが大ヒット中のグリー。2010年6月
期の純利益を前期比68％増の74億円に上方修正し、売上高271億円に対し
て営業利益は140億円予想と、利益率の高さには目を見張るものがあります。

また、「正露丸」だけでなく、ウィルス除去・除菌の「クレベリン」が各地で
品切れを起こしている大幸薬品も、今期営業益予想を前期比3倍に上方修正。
マスクメーカーに代わって、今やインフルエンザ関連銘柄の筆頭株となってい
ます。

IT関連では、株やFX（外国為替証拠金取引）のネットトレーダーにおなじみ
の「クイック入金」を手がけるビリングシステムや、ゲームのバグ（不具合）
探しのアウトソーシングを手がけ、社員の大半が元フリーターというデジタル
ハーツなどは、毎年20～40％近い利益成長を持続中です。

株価的には割高なものの、高齢化の進行で要注目なのは、ガン治療関連のベン
チャー企業でしょう。ガン患者向けテーラーメード療法のテラは、実際に病院
で治療を行なうことで収益を着実に増やしている点に期待が持てます。また、
万年赤字だった創薬メーカーでは、塩野義製薬（東1・4507）とがん治療薬
の開発を進め、09年3月期以降は黒字が続くオンコセラピー・サイエンスに
も注目したいところです。

ユニークな一業態一店舗方式で業績を伸ばすレストラン運営のダイヤモンドダ
イニングなどを見てもわかるように、不況期は社会が変化し、新しいビジネス
や意外な大ヒット商品が登場するチャンス。生活に密着した身近なお宝急成長
株にこそ、投資妙味のある時期といえるでしょう。